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【宣言】控訴審に向けて

控訴審も全力をあげて闘うことを宣言する 

 

2023年4月19日 

生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会 

363-0011 埼玉県桶川市北2-9-6B棟 

飛鳥井司法書士事務所 

電話 048-771-8690 

代表 寺久保光良 

 

さいたま地方裁判所は2023年3月29日、国が2013年8月から3年間に渡って行った、生活扶助減額の処分取り消しと国家賠償を求めた「生活保護基準引下げ違憲訴訟」で、処分を取り消す原告勝訴の判決を言い渡しました。 

 

全国29地裁で、1000名を超える原告によって提起された同種訴訟では、生活保護基準引下げ処分の取り消しを認めた判決は、大阪、熊本、東京、横浜、宮崎、青森、和歌山に続く8例目です。 

 

引き下げが実施されてから、生活保護利用者は生活費の節約に心を砕き、子どもたちには生活を委縮させ、悲しい思いをさせてきました。風呂は週2回のシャワーとし、捨てられるキャベツの皮をいただいてきたり、冠婚葬祭もお断りし、社会的な生活を自ら縮小せざるを得ない生活を強いられてきました。最近では物価高騰にも見舞われ、生活保護利用者の暮らしは瀬戸際にまで追い詰められ、人間らしい生活ができない苦しみに満ちたものになっています。 

 

埼玉の原告35人はこのような屈辱的な生活を強いられながらも、健康で文化的な最低限度の生活を実現させるために、8年7ヵ月もの訴訟を闘って来ました。勝利を勝ち取ったことは多くの支援者、理解者、5428筆の署名をいただいた方があってのことです。皆さんに御礼を申し上げます。 

 

この間、残念ですが9名の原告が亡くなりました。この裁判の長期化は命との闘いでもあります。国は人間の尊厳と人権を大切にし、早期解決に努めるべきです。しかしあろうことか、国は4月11日に東京高等裁判所へ控訴しました。 

 

さいたま地裁判決は、処分の取り消しは認めたものの「デフレ調整」については、国の主張を鵜呑みにし、しかも、娯楽用耐久電化製品の低い購買率を無視して、原告らの生活の現実から目をそらしたものです。「ゆがみ調整」についても到底容認できない重大な問題を含んでいます。 

 

原告・弁護団も別途、「国家賠償を認めなかった点について」控訴しました。控訴審では国家賠償を求めるとともに、「デフレ調整」を含む生活保護基準の引下げ処分の違法性を主張し、原告・弁護団と共に闘っていく決意です。 

 

これからの闘いの舞台は東京高等裁判所となります。闘いの方法はこれまでと違った形になると考えられますが、全国の仲間とともに力を合わせ、世論に訴え、国民的運動に発展させ、勝利するまで闘うことを宣言します。 

以上 

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