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<第17号>くらしの最低保障引下げにNO!

第16回期日 生存権が脅かされていることは明らか

「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するには十分ではない

ちらし配りに感触も

2013年から始まった生活保護基準引下げに対して、2015年8月1日に提訴を行ってから、昨年12 月 26 日に第16回目の期日を迎えました。今回の裁判では、引下げの根拠とされた計算の導き方のおかしさ、国の示す生活水準の厳しさなどを追求しました。

 

暮れも押し迫る中、浦和駅前で50人近い人たちでアピール行動を行い、その後、90 人が裁判の傍聴を求めて並びました。参加人数が少し寂しくなってきていますが、一方で、アピール行動でちらしを配布している際に感触がよかったり、傍聴には関係団体以外の人たちの姿も見られ、裁判に対する関心の広がりも実感します。

 

「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するには十分なものではなかった

今回の裁判ではこれまでも追及してきた基準引下げの根拠とされた生活扶助相当CPIのおかしさについて、当初から指摘していた白井康彦氏(元中日新聞記者)が何十頁に渡る意見書を作成、提出しました。

 

もう1つ今後、原告が生活実態を陳述するにあたって、厳しい生活状況を客観的に裏付ける準備書面を提出しました。

 

総務省統計局が集計した平成21年に実施した全国消費実態調査によると、低所得者層(第1・十分位)は年収100万~150万円。消費支出の内訳をみると、食費、光熱水費、家事用品や被服費などで6万4000円弱。この中には、書籍の購入や習い事の月謝などの教養娯楽費、旅行、友人と食事に行くなどの交際費が全く入っていません。この額は、引下げ前の単身世帯の生活保護の扶助費とほぼ同じか若干上回る(年齢・級地による)程度であり、「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するに元より十分でなかったは明らかです。

 

このような状況からさらに生活保護が引下げられ、例えば単身世帯で月6,000円以上下がった人もおり、原告らに重大な影響を及ぼしていることがわかります。

 

生活実態を無視して弱い者いじめはやめて

原告から、それぞれの思いを伝えました。「10月からまた引下げが始まって、生活保護を受けている人に審査請求の話をしているが、『年金だけで暮らせないから生活保護を受けているが、基準が下がり過ぎて、生活保護からのお金はほとんどない』と嘆いていた。審査請求の取り組みを呼びかけたい 」

 

「私の場合、家賃扶助が2,000円、扶助費が3,100円くらい下がった。年間数万円になる。仲間たちも一生懸命やっている。声援をよろしくお願いします 」

 

「生活保護を受けている人の生活実態を無視している。首相は、日本は戦争をしませんといいながら空母を購入して、生活保護を引下げたり介護の利用料を上げたり、弱い者いじめです。これから私たちの生活がどう変わるかは不透明でどのように生きていったらよいか。」

 

「裁判はいつまで続くんだろうと思う。自分も具合が悪かったが頑張っていかないとと思う。裁判に勝って、少しでも今の生活から楽になるといい」

 

終わりに寺久保代表より、「街頭宣伝で原告の人も発言した。本当に勇気のある行動だと思う。次回は3月で、少しは暖かくなると思うので、傍聴に並ぶ人も3ケタを超えられるといい。元気にお会いしたい」と締めくくりました。

 

くらしの最低保障引下げにNO!

10月生活保護基準引下げ審査請求埼玉一斉行動

~裁判中にまたも引下げ!声をあげよう!~

2018年11月27日(火)埼佛会館

2013年に過去最悪の生活保護基準のひきさげが行われこれを不服とし全国で1万人が審査請求を行ないました。

 

棄却され裁判が進行中の最中、2018年10月にさらなる引下げが断行され、3年に渡り最大5%,7割近くの人たちに影響が及びます。裁判で追及中の、所得の低い1・十分位との比較がなされ、また前回の引下げの根拠にされた「生活扶助相当CPI」は用いられず、疑問を抱かざるを得ません。

 

「将来の子どもたちのためにも、ちゃんとしたいい方の改訂をして欲しい」「おかしな方法で決められて泣き寝入りしないで最後の最後まで頑張って行きたい」といった声があがりました。みなで一体となって、共に声をあげていこう、と確認しました。

 

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くらしの最低保障引下げにNO!<第17号>
2019年5月1日
発行:生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会
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