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<第14号>くらしの最低保障引下げにNO!

すべてのくらしは25条から11.26埼玉集会

人間らしく生きる権利を引き継いでいこう

埼玉で25条アクションを

11月26日、埼玉県県民健康センターにて「すべてのくらしは25条から11・26埼玉集会」が開かれました。この集会は、一昨年に日比谷野外音楽堂で4000人が集った「10.28生活保護アクションin日比谷25条大集会」を受け、埼玉でも25条を守る取り組みをしていこうと昨年春から準備を重ね、県内団体が徐々に加わりながら企画し(結果的に14団体で実行委員会を構成)、開催に至りました。

 

集会の開会、閉会のあいさつは、後援団体となっていただいた埼玉弁護士会、埼玉司法書士会の代表が務めました。

 

日本国憲法は日本人の強い要求が基礎

前半は、芝田英昭立教大学教授が講演。芝田教授は憲法がつくられた歴史的経緯について解説しました。

 

1945年10月、幣原喜重郎内閣は、憲法問題調査会を発足させ、憲法改正論議を開始しました。幣原は、新憲法を書き上げる際に「『戦争放棄』条項を含め、日本は軍事機構は一切持たないと決めたい」としていたこと、憲法25条1項の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」との文言は、衆議院での審議過程で修正提案されて実現したことなど、憲法は日本人の要求で作られたことを確認、一方で、現在、社会保障の解体が進められていく状況や世界の動向についてお話し頂きました。

 

給食だけが栄養源…

続くリレートークでは7人の当事者、関係者の皆さんが抱える困難を訴えました。

 

学校事務職員の方は事務室から見える子どもの貧困として、「給食だけが栄養源の子どもは夏休み後すっかり痩せて登校する」、「子ども医療費助成制度が普及しているが親が診療時間内に帰宅できないので子供を医者に連れていけない」など貧困が子供をむしばんでいると告発。さらに、学校現場に非正規の教師が増えている問題、長時間労働で自分の健康すら守れない教職員の状況が話されました。

 

国保税滞納,過酷な取り立てで自殺者も

医療の問題では国保税滞納への過酷な取り立てと差押えで2人の自殺者が出たと告発。奨学金の問題、労働問題、厳しい年金生活の問題、介護の問題でも切実な実態が語られました。

 

生活保護の問題では、引下げは違憲と主張し訴訟の原告になったが、「働かないで、人が払った税金でお金をもらっているのに不満を言うのか」と友人たちから批判されたが、そうした友人も、子どもの大学の費用と親の介護のために老後の貯金を使い果たしていたり、長時間労働による体調不良や不安定な収入であったり、生活保護への批判は、利用していない人の悲鳴のように聞こえますと語りました。

 

小さな一歩から

リレートークの後、民進党、日本共産党、無所属改革の党の県議代表が連帯を表明、埼玉労福協、連合埼玉、埼労連という労働団体それぞれが格差と貧困をなくすために頑張ると決意を語り、三者が舞台上で固い握手を交わしました。

 

まだ小さな一歩ではありますが、これを皮切りに、誰もが健康で文化的な最低限度の暮らしを権利として保障される社会にするまで、さらに取り組みを前進させようと実行委員会は決意しています。

 

報告 第8回口頭弁論期日

10月6日、第7回口頭弁論期日が開かれました。浦和駅前には、約50人でアピールし、1時間足らずで850人の人にちらしを渡しました。117人が傍聴整理券を求めて並びました。

 

14時からの裁判と並行して集会を開催。今回は、埼玉県民主医療機関連合会(民医連)が、生活保護世帯に行った実態調査の報告を共有しました。閉廷後は、原告・弁護団を迎え入れての報告と、原告2人から暮らしの状況、裁判への思いが語られました。

 

<原告より私の暮らし,思い>

「不安障害など様々な疾病・障害があって、働けない状況です。生活保護引下げで生活がますます苦しくなりました。

 

アパートでは、比較的高いプロパンガスのため、お風呂は週2~3回のシャワーのみで過ごし、1日2食、おにぎり1個のみで過ごす日もあります。車がつかえないために、自転車で買い物にいきますが、身体的に辛いです。下着はボロボロになるまで着ています。今年、防寒着を購入できるかどうかが不安です。今まではわずかながら貯蓄をできていましたが、それも難しいです。

 

基準引下げ前は、年に1~2回友人との交流ができていましたが、今はできなくなりました。1人でずっと部屋にいると、鉄格子のある独房にいる感じになります。

 

以前は水道設備の仕事をしていましたが、多額の借金をしてしまい、取り立てに遭って様々なパワハラ・暴力を受け、最終的に働けなくなりました。

 

憲法13条の幸福追求を求めていきたいです。贅沢をしたいわけではなく、家電が古くなったら買い変えたり、友人と交流をしたい。ごく普通の生活を送りたいというだけです」

 

「川越にある障害福祉サービス事業所で働いています。子供の頃、義理の父親に暴力を受け、精神的に不安定になりました。養護学校を卒業し働きにいきました。義理の父との関係が悪くなり、一人暮らしを始めました。

 

10年くらい働きましたが、職場の人間関係がうまくいかず職場を辞め、コインランドリーで寝泊まりするような生活でした。お金が無くなったため、養護学校に相談をし、障害者相談支援センターで相談し、グループホームを利用するようになりました。

 

それから、生活保護を受けることになりました。仕事を転々として、長続きしませでした。生活扶助が減ると生活費が払えなくなり、やりたいことを我慢しなければいけません」

 

「障害者で会社で働くのが難しい人が多く、生活保護が少なくなると多くの人が困ります。障害者権利条約で人権が保障されていますが、生活保護引下げはそれに反している。障害のある人たちの実態を知ってもらい、働ける職場をもっと増やして欲しい。そのためにも一緒に運動をしていきたい。」

 

第9回 口頭弁論期日

2017年1月25日(水) 14:00~ さいたま地裁

*一斉アピール行動11:00~浦和駅前 傍聴には13:30までに並びましょう

*第10回口頭弁論期日は 2017年5月17日(水)です 

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くらしの最低保障引下げにNO!<第14号>
2017年1月6日
発行:生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会
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