生活保護基準引下げ違憲訴訟第3回口頭弁論期日
引下げの根拠のおかしさを問う
労働者,障害者,高齢者,女性…みんなの問題!
7月22日、夏空が広がる中、第3回口頭弁論期日が開かれました。当日は、11時からJR浦和駅で総勢80人を超す人たちでアピールしました。日本労働組合総連合会埼玉県連合会、障害者の生活と権利を守る埼玉県民連絡協議会、埼玉県社会保障推進協議会、埼玉自立生活協会からも応援にかけつけていただき、裁判が生活保護を利用している人たちだけの問題ではないことを訴えました。
アピールは西口、東口で行い、1,300枚ほどのちらしを配りました。比較的女性や高齢の方がちらしを受け取ってくださり、ご自身の問題として認識されているような印象を受けました。
さいたま地裁前にぞくぞく…
猛暑の中、さいたま地方裁判所前では、傍聴整理券を求める人が集まりました。車いすの人や、神奈川や東京からかけつけてきた人もいました。
さいたま地裁の職員からも熱中症に気をつけるように呼びかけられ、整理券の配布も午後1時に締め切られました。58席の傍聴席を求めて156人が並びましたが、時間に間に合わずに整理券を貰えない人もいたほどでした。
「生活保護基準引下げ違憲処分取消等請求事件」第3回口頭弁論は13時半から始まりました。裁判と並行して、埼佛会館にて集会が行われました。
引下げの根拠にはさまざまなおかしさが…
集会では、まず、今回原告、弁護団側が主張した内容について報告がありました。引き下げられた生活保護基準の決め方について、専門家による審議会で議論もせずに断行し厚生労働省の裁量の範囲を逸脱していることを指摘。
生活保護費は総額670億円削減されましたが、このうちの580億円は物価の下落を理由にしています。しかし、このデータについては厚生労働省が独自の計算式で行われており、あえて一番物価が下がっている年と比較したり、調査品目の取り方など様々なおかしさがあります。生活保護利用者の生活実態を無視し、削減ありきの方法で恣意的であるとしました。
「これ以上,生活を続けていけるのだろうか」
集会は参加者のリレートークで進みました。
「今年4月から息子を引き取り2人暮らしになった。少しは楽になると思ったが、食品が半額になるのを待って買い行ったり厳しい生活だ」
「築50年のアパートに住んでいる。週1回銭湯に行きあとは身体を拭いて切り詰めている」
「少ないお金でなんとか栄養をとっている。仲間と交流して生活を続けていけるか心配」
「精神疾患があって生活保護を受けるようになったが、住宅扶助の引下げも始まり引越しなければならないかと非常にストレスを感じている」。
車いすを利用し言語に障害がある人も「お金がなくなると生活ができなくなる。外にも出かけられなくなる」と訴えました。
また、障害者自立支援法違憲訴訟の原告だった村田勇さんから、「国は、物価が下がったから引下げたというが納得がいかない。反対にアップしないといけない。みなさんあきらめずに闘っていきましょう」とエールが送られました。
生活実態を伝え,憲法25条を守る裁判に
引き続き口頭弁論を終えた原告、弁護団を迎え、報告集会が行われました。
中山福二弁護団長から「裁判所も歴史的に大事な裁判だと認識している。今後は憲法25条に迫っていくことになるだろう。国会で安保法案を巡って国民1人1人が自分たちの声を聞いて欲しいと言っている。この裁判でも皆さんの声を結集して共に頑張っていきたい」とあいさつがありました。
原告から「私たちの生活実態を見てもらえるといい.憲法25条にあっていないことがわかるのでは」、「裁判所にまだ慣れないが、みなさんと一緒に頑張っていきたい」と決意が話されました。
応援にかけつけた野島久美子さん(埼玉自立生活協会)は、「今の政権は、生活保護を削って軍事やそういうお金に使うんじゃないか心配。もし戦争が始まったらまず障害者がやられてしまう。みんなで団結して頑張りたい」、白井康彦さん(中日新聞)は、「生活扶助費の切下げは物価指数の下落に連動させたと言うが本当にでたらめだ」と訴えました。
新たに加わった原告が紹介され、藤田孝典連絡会副代表より「回を重ねると疲れてくる人もいるだろう。幅広く、いろいろな価値観で参加いただきたい。一歩でも前に進めていきたい」と締めくくりました。
第4 回 口頭弁論期日
2015 年10 月21日(水)14:30~さいたま地裁
*期日は一斉アピール行動日! 多くの人の参加をお待ちしています
人間らしく生きたいまもろう憲法25条
~10・28生活保護アクションin日比谷~
2015年10月28日(水)正午開会(予定)@日比谷野外音楽堂
*全国大集会が行われます.みんなで日比谷へGO!!