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<第2号>くらしの最低保障引下げにNO!

*このたび当連絡会の代表に「「福祉」が人を殺すとき」等の著者である寺久保光良氏に就任いただきました。これからの運動に向けてメッセージをいただきました。

 

原告の方の勇気に敬意を表します

おおらかに歴史のドアをたたき続け、押し開けましょう

生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会 代表 寺久保光良

 

この頃の日本はどうしてしまったのでしょうか?

 

平和憲法を解釈改憲し、自衛隊を海外派兵し武器を使用できるようにしました。 憲法9条のどこをどう読んでも海外派兵などできるはずがありません。70 年もの間、日本は海外で一人の外国人を殺していませんし、殺されてもいません。それをひっくり返したのですから、まるで静かなクーデターです。

 

沖縄では辺野古の基地拡大が強引に進められようとしています。「未亡人製造機」といわれるオスプレイの配置と訓練の拡大が行われています。

 

原発の輸出のために原発再稼働を行おうとしており、災害復興そっちのけでオリンピックだ、リニアーモータ ーカーだと現実から目をそらさせ、号泣議員やら女性差別議員など、この国の政治は、もはや廃れきっています。

 

TPP交渉では農産物輸入問題が大きく取り上げられていますが、それだけでなく健康保険や年金制度が狙われています。保険の市場化です。テレビコマーシャルで白黒のアヒルの保険が流され、日本の保険会社の合併が進められていますが、健康保険や年金を民間市場の投げ出す準備が進められています。

 

アメリカのように国や自治体は国民の生活保障を放棄し、「権利としての社会保障」から、「利潤追求の手段としての保険制度」「慈善やお情け の生活保護制度」にしようと狙っているのです。

 

「税と社会保障の一体改革」も昨今の「医療・社会保障改革」はすべてこの方針のもとに組み立てられています。一部の投資家の利益を 針小棒大に宣伝し、まるで景気回復したかのように宣伝し、消費税 10パーセントへの再引き上げが目論まれています。働く人達の状況は労働者の3割、若者の半数が非正規雇用 です。正規雇用の労働者も物価と消費税の引き上げに見合わない、わずかばかりの賃金引き上げでした。

 

年金生活者の状況も国民年金では生活ができません。その上、年金引き下げで、一層生活が 苦しくなっています。

 

「国民生活の最後の砦」としての生活保護の基準が3年間に1割もの引き下げが押し進められています。生活保護制度は国民生活の底支えの制度で、「健康で文化的な生活を」国民にすべからく保障しようとするものです。「保護基準の引き下げは、国民生活全体の切り下げ」に連動します。いわば瓶の底を抜くようなものです。

 

その意味でこの訴訟は、国民生活を守る闘いであり、国民を代表する闘いでもあります。

 

勇気を奮って違憲訴訟を提起した原告の方々に対して敬意を表したいと思います。この闘いは多くの困難が予想され ます。しかし国民の多くの方の支持を得るこができ、歴史のドアを押し開く闘いです。

 

厳しい面だけに目を奪われず、楽天的におおらかに、根気強く、できる人ができることを、そして文化的に闘っていきましょう。私も微力ですが、一緒に闘っていきたいと思います。

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くらしの最低保障引下げにNO!<第 2 号>
2014年9月26日
発行:生活保護基準引下げ反対埼玉連絡会
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